氷見移住ヴィレッジ | Himi Migrant Village

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移住者が1年程度の短期間暮らすための市営住宅である。氷見市移住者用賃貸住宅事業としてプロポーザルが実施され、7棟の住宅群の提案が求められた。家やヴィレッジの風景にも氷見らしさを感じられるよう、黒瓦と氷見里山杉を用いた2つのタイポロジーの分散配置を提案した。一つはリタイア世代向けの平屋タイプ、もう一つは夫婦と子供を想定した町家タイプである。駐車場を道路側にまとめ、切妻屋根がずれて重なり合う家並みを生み出している。コンパクトな家だが、畑に通じる外土間を持ち、畑仕事の休憩や農具置き、食料の保存や乾燥の場として使うことができる。冬季の風に考慮した原生種の列植は小さいものから育て、その成長を楽しむことができる。庭、畑や外土間で過ごすことでヴィレッジの住民同士や近隣住民が接し合い、地域に触れる機会を生む。馴染みある切妻屋根のタイポロジーは崩れかけた家並みの風景を修復する。田舎の生活、山と海のめぐみ、冬の雪と風、漁村の街並み。それらの資源の中に身をおく暮らしがより鮮やかに感じられる家である。はじめに建った2棟をきっかけに、より多くの移住者を迎えるヴィレッジとなってほしい。

氷見市移住者用賃貸住宅整備事業

敷地面積: 514.85㎡ (1730.85㎡)

建築面積: 99.35㎡ 

延床面積: 121.69㎡

用途:住宅 

構造: 木造

階数:地上1階+2階

設計協力:常山未央, 東工業

施工:東工業