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土と共存し、土に還る家

山梨県北杜市の集落に立地し、南側には富士山、西側には南アルプスの山脈を望む。周囲には石積みの造成、棚田、水路が所々に残る。若い夫婦はリモートワークで仕事が可能で、先祖から受け継いだ明野村の土地に、富士山が望めかつ生態系に配慮した住宅を求めた。そこで4つのコンセプトを提案した。①健全な土壌を保つ高床形式、②脱コンクリート、③土に還るマテリアル(藁)④オフグリッド化である。東西に細長い平屋に南側の間口一杯に縁側を設け、どの部屋からも太陽を感じられるようにした。またオフグリッド化に対応するために太陽光を最大限得られるよう南に傾斜した片流れの大屋根を設けた。土中環境に影響を与えないように地面に接する基礎を最小限に抑え、リサイクル可能な鉄板の基礎に用いることでコンクリートが不要となる。地盤面から1mの高さに床を設定することで、家の中から富士山を眺めることができ、床組を乾燥状態に保つことができる。「ストローベイルハウス」構法を用いて壁材兼断熱材である藁ブロックをワークショップで積み上げて土塗りをし、床や天井の断熱材を全てウッドファイバーにすることで生分解可能なマテリアルで建物の大部分を構成した。

敷地面積 : 829.28㎡

建築面積: 135.76㎡ 

延床面積: 78.34㎡

用途:住宅 

構造: 木造

階数:地上1階

構造設計:オーノJapan

施工:小澤建築工房, ストローベイル研究会